聯合艦隊司令長官 山本五十六 | |
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文藝春秋 |
先日みた映画『連合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』の原作となったもの。
不勉強なため、映画を観た後で読んでよかった感じた。
イメージがつきやすくて。
作者は山本五十六の中学の後輩にあたる半藤一利で、山本五十六贔屓であることを宣言した上で話が書かれている。
とは言えど、無批判に海軍善玉説を唱えるのではなくて、山本五十六を中心とした戦争史が冷静に書かれていると思う。
平成23年は(2011年)は真珠湾攻撃後70年経つという年で、作者は81歳。
戦争ものというと、真珠湾から話が始まったり、悲惨さのみを訴えるものが多いので用心して読まなければならないと思うのだけども、今回の映画にせよこの本にせよ、その辺りは非常に広い視野で必要なところは詳細にかつ冗長にならないように分かりやすく書かれていると感じた。
作者自身が『寺子屋風講義』と言い謙遜もされているけども、戦争の回避に尽力し、その意に反して戦争を突入した後も講和を目指した山本五十六の行動が非常に読みやすく書かれていて勉強になった。
軍部と、山本五十六、そして国内(一般の国民)の動静が併せてかかれていて、時系列が必ずしも整っているわけではないけども右往左往することなく読むことができた。
これを読んだ上で、また他の視点から書かれた戦争史も読んでみたいと思う。