今日は、大阪出張。
2011年度 クリニカルパス教育セミナー
テーマ:『わかる!できる!クリニカルパス~基本と実践~』
会 場:千里ライフサイエンスセンター
主 催:日本クリニカルパス学会・医学書院
院内のスタッフ7名(医師、看護師、事務)の方達とともに参加だ。
座長は副島秀久(済生会熊本病院)、山中英治(若草第一病院)のお二方で、5名の方が講演をされた、
「パス使用時の医療記録・看護記録」
森崎真美(済生会熊本病院)
「クリニカルパス電子化のポイント・落とし穴」
勝尾信一(福井総合病院)
「オールバリアンス方式アウトカム志向型電子パスとバリアンス分析の実際」
若田好史(九州大学病院)
「DPC時代で活きるクリニカルパス」
田村茂行(関西労災病院)
「地域連携パスを使った地域医療室の向上:胆膵癌のクリニカルパス」
里井壯平(関西医科大学)
クリニカルパスは時代の要請とともに、かなり普及したと思う。
しかし、本来の導入目的からはずれ、パス作成がゴールになってしまっている場面も少なくないと思う。
パス導入の本来の目的とは
医療の標準化・効率化、チーム医療の向上、患者中心の医療、インフォームドコンセントの推進、在院日数の短縮化、リスクマネジメント
(・・・と、冊子に書かれていた)
今回の講演では、クリニカルパスの基本から、実際の導入における注意点といった応用まで様々聞くことができた。
今後、学習していく上では、非常に参考になる情報だった。
BOM(Basic Outcome Master)についての話題も、今後のパス導入や改変について参考になると思う。
クリニカルパスは「標準化」という点で、批判を浴びやすい。
患者さん個別に対応すべき医療を「標準化」してしまうなんてナンセンスだ・・・といった批判をされる方も多い。
が、これは全くの誤解だ。
個々の患者さんに対して個別にアプローチするためのものなのだ。
今回の講演の中でも
『「標準」を設定することで、個別性を際立たせるツール』と表現されていたが、まさにその通りだと思う。
したがって、「標準」と設定されたものから外れた状態(バリアンス)を大事にしていくことが大切で。
そのために、アウトカム(結果)、アセスメント(評価)が重要になる。
PDCAサイクルでは、PDまでは行えても、CAがなかなか進まないというところは多いと思う。
僕の職場でもそうだ。
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今回の講演ではしばしば『EBM』という語が登場した。
が、どれも「EBM」の概念からは外れていたと思う。
「狭義のEBM」と言ってもまだ申し訳ない感じだが・・・つまり、「=エビデンス」として「EBM」という語が使われていた。
したがって、位置づけとしては、クリニカルパス実践のためのツールとしての「EBM」となっている。
果たしてそうだろうか?
違和感を感じる。
僕はむしろ、「EBM」実践のために「クリニカルパス」というツールが存在するように思うのだが・・・。
といえば、批判されるだろうか・・・