今朝、課長から本を紹介された。
面白いから、皆でまわして読むように、という命令・・・ではなくて、推薦。
まず、僕に渡されたので、後輩君たちを差し置いて僕が一番に読むことになった。
今日の夕方
図書館に移動して、読み始めた。
(スタッフルームにいると、なにかと山積みの仕事に振り回されてしまう。)
2時間くらい・・・読み終えた。
明日が休暇なので、今日中に読み終えて後輩君に渡してしまおうかと思って読んだせいもあるが、課長の推薦通り本当に面白く、一気に読み終えた。
リハビリの結果と責任―絶望につぐ絶望、そして再生へ池ノ上 寛太三輪書店このアイテムの詳細を見る |
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内容紹介(amazonより)
企業人として世界を相手に第一線で働いていた著者が事故に遭い、障害を負い、リハビリを受ける中で抱いた数々の疑問と葛藤。患者の意思はどこに反映されているのか?リハビリスタッフの一方的なアイデアプランになってはいないだろうか?そして一番大切な、リハビリの結果として、退院するときに患者やその家族を満足した気持ちにさせられているだろうか?結果に対するリハビリの責任とは-?実体験に基づき、リハビリの世界に対して一般社会の冷静な考察を交えて綴られている。
技術はもとより患者-医療者間のコミュニケーションを考えるきっかけとなる一冊。
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タイトルをみて思っていたのだけども、もっとソーシャルな本だと思っていた。
つまり、医療システムに対する不満だとかそういう類の話かと思った。
つまり、リハビリの『結果』は科学的には曖昧だし、『責任』は誰も取らないという痛い事実を患者の視点から解説した本だとおもっていた。読む前は・・・。
けども、読んでみると、内容はむしろきわめてパーソナルなものだった。
著書の体験談なのだけども、それがきわめて分析的であったり、解説的であったり・・・。時には感情を揺さぶられる場面もいくつかあり、図書館のパイプ椅子に座りながらも涙をこらえながら苦心して頁をすすめた部分もあった。
読んでみると、そのきわめてパーソナルな体験談から、一般論としてのリハビリテーションを考えることができた。
僕達セラピストは・・・というか医療従事者はどういう存在であるべきか。
そういうことを、観念論としてではなくて、考えさせられる内容だった。
とんでもない体験も暴露されている。ご自身のことで、本当に辛い思いであったと思う。
しかし、僕が医療従事者として思うのは、自分の目の前の患者さんをこのような目に(僕が)合わせてしまってはしないか?という不安である・・・。
こちら(セラピスト側)はその意思がないにせよ、患者さん個人の視点からみたらはひどい仕打ちの様に思われることも、もしかしたら、あるかもしれない。
この本でも、酷い理学療法士が登場するが、そもそも、その理学療法士も、志も程度も低い理学療法士であったのだろうか?
彼もまた臨床の上にもがいていたのではなかったろうか?
決して、身内(=理学療法士)を擁護しようというわけではなくて、僕自身にその酷い理学療法士を重ね合わせて考えられることも、あると・・・残念ながらあると思う。
そういったことで、この本、患者さんの視点からの話は、一人の人間としての体験談としても、理学療法士の視点からも、非常に心を打たれた。
問題は、このような本を読んだあとに、また今まで通りの現実(臨床)を続けるのではなくて、またひとつ違った臨床(患者さんに一歩近づける臨床)へと、変えていかなければならないということだと思う。
本の最終、著書は生き生きとしておられる。
悩みに対しても生き生きと立ち向かっておられる様子が読み取れる。
そういった「清々しさ」に患者さんを導くことのできるセラピストになれればと、そう思う。
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Unknown
考えさせられる本だよね!
学生にも読むことをお薦めしています.
>Uさん
コメントありがとう。
ホント、良い本だと思った。
学生さんも、自分の単位のことで頭いっぱいになっている人もいるだろうから、患者さんの「想い」に触れるいい機会だと思う。
そして、臨床に出ている人間にも、非常に勉強になるね。
早速
タイトルに惹かれて、早速amazonでチェック!
ワンクリックで注文してしまいました。
頑張って読書の時間を作らねば♪
re:早速
>Sotさん
行動早いですね!
PTのO君も購入だった気がします。
たしかに、他のスタッフが読むのを待っていたら、時間がかかりますし、手元にあってよい1冊だと思います。
僕も購入しようかな・・・