雨もやみ、雲もいい具合に晴れ渡り、空にはポカンとまんまるの月が浮かんだ。
『これを中秋の名月というんだ』と思った。
満月を眺めると、『時の流れ』を感じる。
同時に
日本人的なもの、そういった感情を感じる。
多分、欧米人の眺める月と違った感情を受けるのだと思う。
すすきに団子といったイメージがふさわしい。
僕は「わび」や「さび」を定義できないけども、おそらくそういったものを感じているのだと思う。
ぼくたちは時代(時の流れ)とともに、受け継いでいるものがある。
僕が子供の頃にも、この満月を見た。
大東亜戦争の時代でも、日本人がチョンマゲをしていた時代にもこの月は眺められていた。
藤原道長だって、この月を見ているし、石器時代の人間にだって眺められた筈だ。
そういった長い長い時代を受け継いだ僕が、こうやって月を眺めているんだ。
団子がうまい。