朗読者 (新潮文庫)ベルンハルト シュリンク新潮社このアイテムの詳細を見る |
時間に合間をみつけては、読み入ってしまった。
本屋でたまたま見つけた小説。
近々、「愛を読むひと」という映画が上映されるということで、原作となっているこの小説が本屋には並んでいた。
小説を手にとるとき、よくあるのが「何となく」だ。
出会いや運命を感じる。
本とは不思議なもので、文字を追うごとに、僕が何かに取り込まれていくような、何かが僕に取り込まれてくるようなそんな気分になる。
僕にとって、恋愛と読書は一緒なのかもしれない。
お互いに意味を与え、解け合うもの。
小説の中に出てきた、主人公の詩も共感を生んだ。
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ぼくたちが互いに開き合うとき
君が僕にぼくにぼくが君に
ぼくたちが沈み込むとき
君がぼくの中にぼくが君の中に
ぼくたちが消え去るとき
君がぼくの中でぼくが君の中で
そうすると
ぼくがぼくになり
君が君になる
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少年と年上の恋人・・・2人の性描写(映画で言うとベッドシーン?)とともに印象深いのは
「なにか朗読してよ、坊や」と、なぜかいつも本を朗読して聞かせて欲しいと求められ、応じる少年。
本の帯には、「本を朗読する少年の声に聞き入る女性ハンナ」の映画の一場面と思われる写真が載っている。
実は・・・
僕にも似たようなことがある・・・
(小説とは全く違った状況なのだけど)
僕が本を薦めると、「代わりに読んで説明して」と言われる・・・といったような。
(ベッドの中じゃないけど)
そんな状況もシンクロして、なぜだかこの本が気になったのだろう。
この小説に寄せられている『感動』ということももちろんあるが、
それよりも、僕は恋愛の中の『残酷』に心を締め付けられてしまう。
そんな小説だった。
映画・・・
どうしようか・・・