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若きサムライ

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 ある時、イギリス人の貴婦人の前で日本刀の話が出て、「日本刀はどうやって使うのか」と聞かれたので、私は彼女の前で、手で刀を抜いて振りかぶって、袈裟掛けに切る形をして見せたところが、この瞬間に彼女は血の気を失って倒れそうになった。私は文学よりも日本刀の方がいかに西洋人を畏服させるかを知った。
 われわれにとって”サムライ”は我々の祖父の姿であるが、西洋人にとっては、いわゆるノーブル・サヴェッジ(高貴なる野蛮人)のイメージでもあろう。われわれはもっと野蛮人であることを誇りにすべきである。
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三島由紀夫(享年45歳)が割腹自殺をする一年前に刊行された「若きサムライのために」からの文だ。

なんとも痛快というのか、英国貴婦人に見せた「袈裟掛けに切る形」はさぞかし鬼気迫るものだったんだろうな。
彼女がこのような形で「日本刀の使い方」を知りたかったはずはないけども、何ともまじめでオチャメな三島由紀夫らしい表現の仕方だ!

この本には「若きサムライのための精神講話」として以下のエッセイがおさめられている。
・若きサムライのために
・勇者とは
・作法とは
・肉体について
・信義について
・快楽について
・羞恥心について
・礼法について
・服装について
・長幼の序について
・文弱の徒について
・努力について

どの頁を開いても、この痛快さが溢れ出ている。
しかし残念ながら、だらけきった僕には、心を射抜かれる思いで辛くなる面もある。

シャキッとせないかんな・・・

若きサムライのために (文春文庫)三島 由紀夫文藝春秋このアイテムの詳細を見る

kazz_ash

足川 和隆 理学療法士18年生! 毎日、始発で出勤、最終で帰宅の米子~松江の通勤をしています!

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