今日は昨日に引き続き研修
■脳生理講演会
脳生理学者、伊佐正教授による講演会だ。
テーマは
『運動制御回路の構造・機能と損傷後機能代償』
中枢神経系(脳や脊髄)の障害の後にどのようにして機能的な回復が起こるのか・・・という話でいいと思う。
こういった知識は「脊髄損傷」や「脳卒中」による中枢神経系の問題を抱える方の助けになる。
僕たちセラピストの良い指針になる。
今回の講演では
おもに神経損傷を起こした動物実験によって得られた知識が紹介された。
臨床家として気をつけなければならないのは、僕たちの目の前にいる患者さんに、この知識を「いかに適応するか」というところだと思う。
実験で起こしているのは、神経の部分的破壊。
僕たちが普段出会うのは、血管の損傷であることが多い。
そして、虚血や圧迫などによる広範囲の神経損傷であることが多い。
また、動物とは違って、社会・心理的背景にも重大な相違がある。
そういったことを考えつつ、臨床応用が必要なのだろうと、気を張って勉強する必要がある。
また、脳の一次運動野の破壊実験を聞くと、「この機能を失った場合・・・」とう展開になりがちだが、実際には一次運動野の損傷は臨床上は少なく、もっと脳の深部・・・基底核の損傷のほうが多かったするので、実験結果の治療上の応用に配慮しなければならないと思う。
伊佐教授も言っておられたのだが、「機能代償には様々な戦略がある」ことは間違いないと思う。
たとえば「筋緊張」ということを考えても、それを制御する部分は至る所にある。
神経系だけでなくて・・・ストッキングを履くということも外的に(物理的に)筋緊張をコントロール(?)してしまう因子なのだから。
脳生理学者の話をじかに聞けるのは非常にありがたい!
難しい本読まなくていいから(笑)!
しかも、機能回復にかかわる神経生理学的背景を聞くと勇気がわいてくる。
もっと機能回復を目指せそうだ!
今回は、「運動制御と機能回復機構」についての話から、「モチベーション(意欲・動機付け)」や「盲視(モウシ:Blind Sight)」についての話も聞けて盛りだくさんだった。
伊佐教授の話は本当にわかりやすく(といっても難しい部分はやっぱり難しいのだが)、明日からの臨床につながりうるものだった。
悩む部分も多かったが、今後、臨床の中で閃いていきたいと思う。
※・・・そういえば、「盲視」については、ラマチャンドランの本にわかりやすく紹介されてあったな・・・と思ったが、この本行方不明になっていた。
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