「アキマチ」
という状態の患者さんがいる。
転院先の空き・・・つまりベッドの空きができるまで、うちの病院で入院を続けているということ。
気になるオバァちゃんがいた。
ほんとうにやせていて、栄養状態の悪さは一目瞭然。
口からの栄養摂取は危険で、鼻から管を入れていた。
鼻の管を引っこ抜くというので、その細い腕さえも抑制され(縛られ)ている。
(案外すごい力を出すんだね・・・)
オバァちゃんにできることは
■「はい」と返事をすること
■声をかけられたときに目を開けること
リハビリに求められたものは、
■廃用症候群の予防と改善
これ以上、オバァちゃんを衰えさせぬように、そして少しでも活動性を挙げていくことだ。
かといって、「負荷」が「負担」になるほど、積極的にもできない。
大雑把に言えば、僕がオバァちゃんにやっていたのは、介助して座ること、手足を動かしてあげることだった。
我ながらこれが専門的なのか疑問に残る・・・
けど、同時に思う。
僕がしなければ他に誰がやるというのだ!
そのオバァちゃんの所に行くと、いつも、問いただした。
「なにか、やり残しているんじゃないかい?」
「おまえさん、専門家かい?」
もしかしたら、他に明るい未来があるのではなかろうか?
それを見逃しているのではなかろうか?
言わないだけで、何か望んでいることがあるんじゃなかろうか?
そうやって、「できること」を見つけて介入していくことが、僕にできることだと
そう考えている。