重力 < 時
『重力』
その質量によって他を引き寄せる力。
質量が大きいほど、他をより強く引き寄せる。
人間も質量を持っているから、他の人間を引き寄せる。
ただ、実生活においては、摩擦係数がそれを阻んでいる。
なんと哲学的なことか・・・
それぞれの人間は、いうまでもなく地球に引き寄せられており、それぞれが地面にくっついて生活している。
時に人は、その重力を束縛と感じ、そこから逃れようと、空を夢見る。
『時間』
これは、観念的なものではなく、物理的にも解釈されている。
物理的に最短の時間というのもわかっている。
それは
プランク時間といって、
5.391×10の-44乗秒だ。
物理的な時間もまた、人を束縛する。
とめることや進めること、巻き戻すことはできない。
ただ、重力は空間を歪めるので、時間も歪めることになる。
時空(じくう)の名の通り、時間と空間は同一なのだ。
ちなみに、重力は加速度であり、一般相対性理論の構築原理として用いられる等価原理では、加速度運動による慣性力と重力は区別できないものとしている。
ただし、心理的な時間の経過は、別の話題である。
楽しければ時間は短く感じ、退屈な時間は長く感じる。
また、年齢を重ねるとともに、過去の時間の経過は早く感じるということだ。
(幼少の頃の一年間と、おっさんになった今の一年間は、経過速度が違う、ように感じる)
さて
冒頭の
重力 < 時
この不等式は、病院の患者さんのテーブルにメモされていた。
重力と時間が不等式によって、こんなにも単純に記述されることは(物理的には)ない。
これは、物理的な意味を持った不等式ではなく、心理的なもの、おそらくその患者さんの感じておられる世界を表そうとしたものだろう・・・
しかし、それは何をいいあらわそうとしたものなのか?
ご病気を抱えられ、身体が不自由となり、入院生活を余儀なくされている患者さんの心理の深さを感じる・・・
と、思ったが、
あぁ
なんだ・・・・
『重力 < 時』ではなくて、
『動く時』
ってメモってあっただけだった。