今月(2015年6月)の「Stroke」誌にもリハビリ(rehabilitation)に関する論文が投稿されていた。
ヨーロッパの4つのリハセンターのデータを含め検討された脳卒中患者さんの、「その後」の状態。
脳卒中発症による入院、2ヶ月後、6ヶ月後、そして5年後の状態を、
・BI(Barthel Indexバーセル・インデックス)、
・Rivermead Motor Assessment of Gross Function(リバーミードの総合機能運動評価)
・下肢/体感機能
・上肢機能
で継時的に調査した。
532名の患者の調査を行い、238名の方を発症後5年のフォローを行った結果が得られた。
で、
「発症後6ヶ月」と「5年後」を比較すると、上記4つの結果が、優位的に低下していた。
そして、
「発症後2ヶ月」と「5年後」を比較すると、その結果に優位な差が見られなかった。
これらには高齢であることと、障害の重症度がより強く結果に影響を与えている。
この研究一つをとって一般化されることではないだろうけども
6ヶ月目に回復の最高点を迎えて、その後は発症後2ヶ月目時点までの機能に落ち込んでしまう。
様々な回復曲線があると思うから、一概に言えないのだけども、大まかにこういったことがいえるのかもしれない。
この研究論文の特異性は脳卒中患者の機能回復における継時的な変化を追ったところにあると思う。
国や地域によっても関わるサービス内容は様々だろうから、この通りとは言えないかもしれない。
患者さんにとってよいよい回復を迎える場合もあるし、その逆もあろうかと思う。
いま、僕は急性期病院に勤めていて、脳卒中患者さんのリハビリを担当している。
発症後2ヶ月までの機能や生活をいかに引き上げておくことができるか、心して臨床に臨まなければならないというところが、学んだところ。
脳卒中の障害の回復において、機能訓練はもちろんのこと、生活指導、また根本に肺炎や廃用症候群の合併症の予防。
できることはいろいろあると思う。
医療現場として、一人一人に十分なサービスを提供できないことに苦悩することが日常だけども、何か一つでも挑戦していくことができればいいと思う。
漫然としたリハにならないように気をつけたい。