臨床業務を終えて・・・
残っている仕事は、カルテ入力という仕事。
自分のしたアプローチや評価など、それぞれの患者さんについてあれこれと書く。
早く終わらせることもできるのだけども、ゆっくりと考えながら行うこともある。
僕は診療情報管理士の資格も持っているで痛切に知っている。
カルテ情報は臨床と同じくらい大切なもの。
・・・だが、なかなか充実させることができないでいるのが現状
病棟、スタッフステーションのカウンタ
並んでいる電子カルテの前に座って、今日の臨床内容の入力をカタカタと打っている。
看護師の忙しさは時間を問わずに存在していて、電子カルテに向かう僕の付近を慌ただしく通り過ぎたりしている。
そうそう、
僕の隣にはこの春に入ってきた新人くんもいる。
まだ患者さんを受け持っていないので、電子カルテで入力することがないのだけども、電子カルテから情報を得て学んでいるのだろう。
ふと気がつくと、スタッフステーションはカウンターに座っている僕と新人くんを残して静かになっていた。
誰もいないなとも思ったけども、遠くを見渡すと、声が聞こえてくる
声は少し離れた病室からだ。
と思ったら、
『kazzさぁ~ん!!!!』
と複数聞こえてくるではないか!
あれ、と思い、声のする病室に駆け込んだ。
僕を呼ぶなんてのは、非常事態だ。
『猫の手でも借りたい』という呑気な雰囲気ではなかった。
病室に入るなりビックリ!
血だらけの患者さんと、取り押さえている複数のナース!
何事か?
と思う間もなく、僕も患者さんを取り押さえる一員になった。
とにかくアブなかった。
患者さんは血を流しながらも、看護師に襲いかかろうとしている(というか手を振り上げたり蹴るなどしている)。
興奮する患者さんをなんとかなだめようとしながらも、そのことがかえって患者さんを興奮させる、といった状況。
しかし、看護師が手を離せば、興奮している患者さんはすぐにここを飛び出すだろう。
抑える以外にはない、のだ。
離脱症状?
明らかに患者さんの様相は、普通の興奮状態とは違っていた。
緊急時における抑制
薬剤投与
看護師さんへの攻撃は凄まじかった。
叩く、つねる、蹴る、唾をはきかける・・・
すでに看護師さんの腕には内出血が浮かんでいた。
・・・
男手として役に立てたかどうかわからないが、薬の投与もあり、だいぶん自体は落ち着いた。
・・・
驚いたことが2つある。
一つめ
僕はたまたまこんな状況に関わったのだけども、看護師はこんな状況にいつもさらされている(可能性がある)ということ。
女性の職場で、大きな男性の患者さんの興奮に対して抱く恐怖にされされている(少なくともその可能性がある)という状況。
もう一つは
そこに関わった看護師が、誰ひとりとして不満を言わなかったこと。
患者さんに対して怒鳴りかえしたり、逆にあしらったりする態度を微塵にもみせず、それどころか、患者さんの苦痛を取り払うように、落ち着いた優しい声かけをし続けたこと。
暴力に対してカッとなるという様子がみられなかった。
プロだなと思ったし、プロだからなせるんじゃなくて、やはり総体として人間的な優しさを持っているんだなと感じた。
少ししてから手伝ってくれた新人君と共に、非常に良い勉強になったねと話し合った。
ひとつ、現場を知るということに近づけた気がした。
これからも現場で働いていきたいと思った。
看護師さん達よ、ありがとう。
と
い
う
こ
と
で
新人君を連れて、夕食にパスタ。