ぼくらの祖国 | |
クリエーター情報なし | |
扶桑社 |
大好きな青山繁晴さんの本。
といっても、このかたの本を欠かさず読んでいると言うわけではない。
主に、ネットで青山さんの言論に触れ、惹かれているからだ。前著からは2年半ほどたっているらしい。
本の帯には『著者待望の新作!』と書かれているが、本当だと思うし、僕もこの本を手に入れられたことは嬉しい。
(とはいえど、発売日からしばらくして、昨日手に入れたのだ)
さて
冒頭より丁寧に書かれている。
あたかも、詩の如く、歌のごとく、手紙のごとく
青山さんはこのタイトルに見られる通り、『ぼくらの』としている『わたしたちの』とか『我々の』ではなく、『ぼくらの』とされたことは意味深いと思う。そこには、直接、同等の立場で話しかけてくれる青山さんの気配を感じるからだ。
読者の対象を選ばない本だけれども、読み手である僕自身がが若返った気持ちになれる。
こうやって、心強いメッセージを受け取ったのはいつぶりだろう。
本書では、ひらがな・カタカナ・漢字・ローマ字が混在している。
いや、混在しているのどの本もそうかもしれないけども、ある意味合いを感じるように布石されているように録れるし、青山さん自身も、この四種を文脈に沿って使用していると説明されている。
この本の執筆において、青山さんは時に涙を流したのであろうか、それとも冷静に書き続けたのだろうか?
いずれにせよ、机にかじりついて真剣にこの本に向き合ったであろうことは想像に難くない。
純文学のさっかであるように、章のタイトルも素敵である。
その章を読み終えたあとに、このタイトルを深く考えることが出来る。どういう思いで描かれたのか、それを知ることができる。
たしかに、東日本大震災について、硫黄島について、エネルギー資源について語られているが、すべてを貫くことは「祖国」を感じることだと思う。こと、硫黄島の章にあっては、涙をながさずにはいられなかった。
「祖国」ということ
「祖国」というもの
第二次世界大戦後、「ぼくら」はそれをあまりにもないがしろにしてきた。
それは肌身に感じるものことではなくなってしまっている。
反省だけではなくて、これから「ぼくら」がすることと、目を向けることが記されていると思う。
中学生以上であれば読めると思うし、少し難しいようであれば親が聞かせてあげられるくらいに、分かりやすい内容となっている。
みなさんにすすめたい本だ。