通勤は列車だ。
朝は6時28分の列車に乗る。
境線の弓ケ浜駅(無人)に乗って、米子駅で山陰本線に乗り換えて松江に向かう。
米子で乗り換えてから
とある駅の手前で、窓の外の家から手を振ってくれるのは彼女
・・・ではなくて、以前担当させていただいたおじいさんだ。
僕がその時間の列車に乗っているのを知っていて、ながめてくれているらしい。
おそらくあちらからは僕のことは見えないだろう。
駅前で減速しているとはいえ、小さな窓の中の僕を確認するなんてのは、スナイパーでも難しかろう。
ましてや病気を患ったおじいさん。
それでも、時間通りに眺めてくれるおじいさんに、深いありがたみを覚える。
そうして小さく手を振るのだ。
どうかお元気で。