■お釈迦様の脳科学
お釈迦さまの脳科学 釈迦の教えを先端脳科学者はどう解くか? (小学館101新書)苫米地 英人小学館このアイテムの詳細を見る |
を読んだ。
副題は「釈迦の教えを先端脳科学者は道どう解くか」とあったから興味を引かれた。
著者は脳科学者であるとともに、天台宗僧籍をもっておられるらしい。
ただし内容は、脳科学的なお話は乏しく、どちらかというと、現代に知れ渡っている(特に日本の)仏教観と原始仏教との比較であったり、再解釈であったりしたように思えた。
それでも、かなり楽しめたし、勉強にもなった。
特に、「般若心経」は偽経・・・、つまり原文はなく中国で書かれたものであり、道教や儒教的背景のもと作成されたという解説は非常に興味深かった。
たしかに、「般若心経」は『観自在菩薩』ではじまる話だ。仏説のほとんどが『如是我聞』で始まるのを考えると、文法的には異質かもしれない。
その他、現在「仏の教え」として広まっているもののなかで、仏の教えとは考えられないものが多数あり、それぞれに解説が加えられている。
その解釈の仕方などは本当に興味深いものだった。
以前、宗教関連の本を読みあさったことがあるが、また復習も兼ねて読み返してみたいと思う。
僕の持っている本のほとんどは、いわゆる「大乗仏教」の視点で捉えられているものだ。
今回『お釈迦様の脳科学』を読んだ後は、上座部(「小乗仏教」)系の話に非常に親近感が持てた。
なんだか、修行して悟りを開くなんてのは、僕の中でいまいち受け入れられなかったのだが、それもアリかともうようになってきた。
もう一度、今の視点で「大乗仏教」の解説本を読んでみたい。
あらたな発見があるかもしれないし、理解は深まると思う。