昨日に引き続き、今日も研修だった。
昨日は、講師のボバースインストラクターが「術後の浮腫・炎症・疼痛を3日間でとる手技を伝授する」という途方もないテーマを挙げておられたが、本日はそれが行われる予定になっていた。
この点について、繰り返しになるが、納得できない点は以下のとおりだ。
術創部や、骨の破綻を伴う状態での炎症を3日でとってしまうというのは無理がある。
そして、その炎症がなければ、傷は治癒し得ないのではないか?手術後の炎症は正常な生体反応であり、3日で治まるべきではない・・・と思う。
今日はその「術後の浮腫・炎症・疼痛を3日間でとる」ための方法論が伝授されるということだったので楽しみにしていた。
が
結局、皮膚と姿勢緊張に対してアプローチを始めるということが、その方法であるらしかった。
見ていて思ったのだが、
おそらく、これでは術後の浮腫・炎症・疼痛を3日で””とる””なんてことは無理だ。
(そして「炎症」などの消失を望んでいるわけでもないし)
そもそも
「浮腫」と「炎症」と「疼痛」とを別の症状として捉えてあることからして、不思議ではあったが、この折角分けた症状に対して、アプローチとしては同様のアプローチであったのは、何か意味があったのだろうか?
「言葉の使用は厳密に」と言っておられたので、厳密な定義を聞いてみたいものだった。
さて、一つ嬉しいことがある。
それは
講義中には「浮腫・炎症・疼痛を3日間で""とる""」と言われていたのが、最後の挨拶では、「浮腫・炎症・疼痛を3日間で""軽減させる""」と表現が変えられていたことだ。
「とる」と「軽減させる」とには雲泥の差がある。
さて
「軽減させる」にはどうしたらいいのか。
「悪化させなければよい」のである。
そして、
「3日間待てばよい」のである。
ボバースアプローチの講習会に出て、思うことがある。
それは、腰痛の原因を
生体的なものとしてしか捉えていないことだ。
講習会中に
『この中(=受講生)で、腰の痛い人!』
と手を挙げさせて、その人の評価とアプローチをすぐに開始する。
評価内容は
見た目による形態上のアブノーマル、つまり左右差や正常との逸脱。
そして
トーヌスの異常や左右差
動作の異常や左右差
というものを指摘する。
レッドフラッグなどという概念には全く触れない。
そして、腰痛の原因は姿勢や動作パターンや形態であると信じ込んでいるように思える。
当然、アプローチも姿勢や動作パターンや形態を変化させるところに終始している。
ボバースアプローチによって腰痛が軽減できるのであれば、それはラッキーだと思うが、おそらく、プラセボ以上の効果は、やはりないのだと思う。
まぁ、『手術に匹敵する効果』といってしまえばいいのかも知れない。
腰痛に対する数多ある手術だって、結局は特異的効果がなさそうだから。
念のため、言っておく。
僕はアンチボバースではない。
むしろ大好きだ。
感謝している。
KAZZ BLOG「ボバースアプローチは何でもあり?」(2010年10月23日)
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