amazonから本が届いた。
仕事が一段落ついて、夕刻、この本について他スタッフに話しかけたところ・・・
誰~んも、知らなかった!!
僕が買ったのは
■尋常小学校 修身書
精撰尋常小学修身書―明治・大正・昭和…親子で読みたい (小学館文庫)八木 秀次小学館このアイテムの詳細を見る |
「修身(しゅうしん)」と言っても、スタッフは誰もピンときていないようだった。
「終身保険のシューシンですか?」とかいう始末・・・
修身(しゅうしん)書。
今で言う道徳の教科書なんだけども、僕の祖母(齢81)などは、子どもの頃この教科書で育っている。
「昔は修身って言ってねぇ・・・」
という話は祖母から何度も聞かされていたし、患者さんでも修身についてお話しされる方には何度も出会ったことがある。
なのに、なんでみんな知らないんだ~!
修身って、もっとメジャーなものでしょう!
と、ちょっとショックを受けたりした。
紹介ついでに、まず、巻末の2つを紹介する。
戦前、戦中に教育された人達のすばらしさがわかる。
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人は万物の長
(第一期/尋常小学校四学年)第二十五
人は万物の長と申します。そのわけは、草や木は、自由に動くこともできず、
魚や鳥やけものは、動くことはできても、人のような知識がありません。
また、人には良心があって、よしあしをわきまえ、悪いことをしようとおもうと、良心がとがめます、
また、人は、世のため、人のために、なることをするのが、つとめだと知っています。
それゆえ、人は万物の長と申すのであります。
万物の長と生まれたものは、徳をおさめ、知をみがき、人の人たる道をつくさねばなりません。
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ふくしゅう
(第一期/尋常小学校三学年)だい二十七
よい日本人になるには、ちゅうぎのこころを、もたねばなりません。おとうさんや、おかあさんには、こうこうをつくし、きょうだいとは、なかよくし、ともだちには、しんせつにし、めしつかいをあわれみ、きんじょの人には、よく、つきあわねばなりません。
なにごとにも、しょうじきで、こころのとがめるようなことをせず、ゆうきがあって、しんぼうづよく、ものごとに、あわてんようにし、じぶんのことは、じぶんでし、そして、なんぎをこらえねばなりません。また、からだをじょうぶにし、けんやくをまもって、しごとに、せいださねばなりません。
そのほか、れいぎをまもり、じまんをせず、おんをうけては、わすれんようにし、人をそねむようなことなく、どりょうを大きくし、人のものを、だいじにせねばなりません。
かように、じぶんのおこないをつつしんで、よく、人にまじわり、そのうえ、よのため、人のために、つくすように、こころがけると、よい日本人になれます。
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そして、
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だい一 おやこ
おとうさんが、とおいところへ、いきます。おたけは、おかあさんといっしょに、みおくっています。
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だい二 おかあさん
おたけのおとうとが、よなかに、なきだしました。おかあさんは、だきあげて、いろいろと、なぐさめています。おかあさんのごおんを、わすれてはなりません。
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だい三 おとうさん
おたけが、かわいそうなこをみています。 このこには、おとうさんがありません。おとうさんのごおんを、わすれてはなりません。
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だい四 じぶんのこと
いちろうが、おかあさんのいうことをきて、ほんやふでをそろえて、がっこうへ、いきます。じぶんのことは、じぶんで、せねばなりません。
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だい五 きょうし
せんせいが、「ちこくしてはなりません。」と、いちろうに、いってきかせました。おかあさんは、「せんせいのおしえを、よく、おききなさい。」と、いいつけています。せんせいのおしえをきかんと、よいひとになれません。
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だい六 としより
おうめといちろうとが、としよりのおとしたぜにを、ひろってやっています。としよりを、だいじにせねばなりません。
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だい七 きょうだい
いちろうのげたのはなおがきれました。おうめは、そのはなおをすげています。きょうだいは、なかよくせねばなりません。
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だい八 たべもの
おかあさんが、「あおいうめのみを、たべてはなりません。」と、いってきかせています。たべものに、きをつけねばなりません。
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だい九 せいけつ
からだを、きれいにせねばなりません。からだをきたなくしておくと、びょうきになることがあります。
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だい十 しょうじき
しょうじきなでっちが、たんものに、きずのあるのを、おきゃくにしらせています。このこは、おとなになってから、りっぱなあきんどになりました。
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だい十一 きまりよくせよ
おつるは、おきぬのうちで、あそんでいましたが、十二じにちかくなったので、かえりました。なにごとにも、きまりよくせねばなりません。
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だい十二 ことばづかい
ひとりのこが、ぶれいなことばをつかいました。ほかのこどもが、それをとがめました。ことばづかいを、つつしまねばなりません。
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だい十三 やくそく
ぶんきちは、あめのふるのにえほんをかえしにいきます。やくそくしたことを、ちがえてはなりません。
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だい十四 ひとのあやまち
こたろうが、ぶんきちのまりをなくして、わびました。ぶんきちは、「あやまちはしかたがない」といって、とがめませんでした。ひとのあやまちは、ゆるさねばなりません。
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だい十五 わるいすすめ
「こやにかくれていて、とおるひとをおどそう。」と、ともだちが、すすめました。ぶんきちとこたろうとが、それをとめました。わるいすすめに、したがってはなりません。
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だい十六 ともだち
こたろうが、ぶんきちのつかれたのをみたので、ふろしきづつみをもってやっています。ともだちは、たすけあわねばなりません。
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だい十七 ものをそまつにあつかうな
このこが、べんとうばこをなげだしたので、こわれました。「ものを、そまつに、あつかってはなりません。」と、ねえさんが、おしえています。
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だい十八 あやまち
まさおが、ひばちにつまづいて、どびんをひっくりかえしました。あやまちをせんように、きをつけねばなりません。
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だい十九 ひろいもの
まさおが、ひろったかねを、おとしたこどもに、かえしています。ひろいものを、じぶんのものにしてはなりません。
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だい二十 いきもの
まさおのいもうとが、ねこをいじめているのを、まさおがみつけて、とめています。いきものをいじめてはなりません。
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だい二十一 ひのまるのはた
ひのまるのはたは、にっぽんのしるしであります。よいはたではありませんか。
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だい二十二 きそく
ひとりのこどもが、どてに、のぼります。ともだちが、たてふだをみて、それをとめています。きそくにしたがわねばなりません。
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だい二十三 ひとにめいわくをかけるな
このこが、みちばたに、ごみをすてようとするのを、おとうさんがとめています。せけんのひとに、めいわくをかけてはなりません。
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だい二十七 よいこども
このふたりのこどもは、せんせいにおしえられたことをまもりました。おとうさんとおかあさんとが、それをほめて、えほんをあたえています。
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この本は
良い本ですね!!
心が正される感じがします。
読んでみたいし、いつか自分の子供にも読ませたい本ですね。
re:この本は
>megukoさん
ほんとに良い本です。
しかしながら、こう行ったものは廃止されて、いまでは道徳すらも廃止されているようです。
もう一度、修身書を日本に復活させることができれば!!
教育の場に修身書が復活しなくとも、家庭で読んでいくものよいかも!
410ページもある本なので、ここに挙げた以外でもさまざまよい文章が並んでいるから、是非、手に入れておくと良いと思うよ!