藤原正彦は『愛国心』について
「英語で愛国心にあたるものにナショナリズムとパトリオティズムがある」
として、こう説明している。
■ナショナリズム
→他国を押しのけてでも自国の国益を追求する姿勢
■パトリオティズム
→祖国の文化、伝統、歴史、自然などに誇りを持ちまたそれらをこよなく愛する精神。家族愛、郷土愛の延長にあるもの。
我が国では、これら二つを「愛国心」と言う一つの言葉でくくってきた。
藤原は「パトリオティズム」の方を「祖国愛」と表現している。
そしてこう続ける。
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祖国愛という視座を欠いた言説や行為は、どんな者も無意味である。
これの薄弱な左翼や右翼は、日本より日中関係や日米関係を大事にする。
これの薄弱な政治家やエコノミストや財界人は、軽々しくグローバリズムに乗ったり、市場原理等という歴史的誤りに浮かれたりして、祖国の経済ばかりか、文化、伝統、自然を損なって恥じない。
これの薄弱な教師や父母は、地球市民などという、世界のどこでも相手にされない根無し草を作ろうとする。
これの薄弱な文部官僚は、小学校の国語や算数を減らし英語やパソコンを導入する。
(「国家の品格」がベストセラーになって有名になった藤原正彦の「祖国とは国語」からの引用。)
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祖国に対する愛は重要だと思う。
というか、それを意識するのが不自然に思えるほど重要だと思っている。
「愛国心」を毛嫌いする人たちは、「ナショナリズム」という国益追求の思想にばかり目がいき、過去の軍国主義を生んだ背景に危惧しているのではないだろうか?
『祖国を愛すべきかで国論が割れる様子は、おそらく世界に類例がなく、外から見れば喜劇であり、内から見れば悲劇である。』
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