「そんな状態では家に帰れないって言われました」
って、悲しんでたのは外科系病棟に入院するおばちゃん。
悲しんでたというよりも、諦めからか、少しあっけらかんとした印象も受けた・・・
さて、
「そんな状態では帰れない」と言ったのは・・・看護師さん。
そこまでキッパリは言わないだろうが、おばちゃんにはそう伝わっていたので、そういう言い方をしたのだろう・・・
だが、この看護師さんはこの言葉に責任を持っていなかったのだと思う。
それはというと・・・
「では、どうすれば帰れるのだろうか?」
という情報提供がないのだ。
たしかに
おばちゃんの障害は重かったが、ここまでの挑戦は凄まじかった!
天井ばかり見ていた生活から、みごとに杖一本で歩けるようになってきたのだからっ!
「リハビリテーション」には「挑戦」という側面もあると思う。
これでもかこれでもかと工夫に工夫を重ねて、努力もして・・・少しは手を抜きながらも幸せになっていく過程だと思う。
「こんな状態」
という状態があったらば、
「そんな状態でどうしたらいいか?」
ということを考えなければならない。
「こんな状態。・・・だから、こうすれば家に帰れる」
ということをプロとして示すことが必要だと思う。
分析だ!
おばちゃんにも分析を促した。
「こんな状態ってどんな状態?」
「それって、変えられる?」
「家に帰るにあたって、何が問題になるか考えてみて!」
「朝起きてからすっと生活を思い浮かべてみて、問題ありそうなところはどんなとこ?」
「紙に書き上げてみるのもいいかもしれないよ!」
生活のプロは生活者。
おばちゃん自身が考えるのが一番いいと思う。
そして、問題になりそうなところで、どんな工夫(←環境の整備とか、サービスの利用とか、隣近所の協力とか・・・)が可能かを考える。
この
「こうすれば家に帰れるかもよ!」
てところが、僕らの仕事の醍醐味でもあるかもしれない。