『先生,教育勅語って知ってる?』
こんな質問をしてこられたのは,案外,50代の男性患者さんだった.
「教育勅語(キョウイクチョクゴ)」は明治天皇が国の人々のために道徳を説いたものとされる.
その昔,第二次世界大戦前中の時代では,子供も当然のように暗記させられということ.
(僕のような若造や,戦後の人間には「教育勅語」のなじみは薄いと思う.戦争体験者にくらべると圧倒的に・・・)
『朕惟フニ我カ皇祖皇宗(チンオモウニワガコウソコウソウ)・・・ってやつですね.そこまでしか知らないですけど・・・』
『へぇ~すごいねぇ,先生!そんなんも知ってんの~』
『いや,ほんの出だしだけで・・・ポリポリ』
というやりとりをして,なぜ,患者さんがこの質問をされたのか・・・話題は他に転換されてしまった.
ってことで(←どういうことだか)
「教育勅語」(正確には「教育に関する勅語」)を暗記してみようかと想った次第である・・・
たまに80歳前後の患者さん(じぃちゃん,ばぁちゃん)に聞いてみると,結構覚えておられるものだ!
空でチンオモウニワガコウソコウソウ・・・ブツブツと続けられる.
「教育勅語」を戦争と絡めて拒絶反応を起こされる方もいるようだが,僕の出会ったじぃちゃん,ばぁちゃん達は,むしろ好意的に語ってくれる(昔を懐かしむように).
さて,暗記暗記!
教育ニ關スル勅語
朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世々厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重ジ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ
明治二十三年十月三十日
御名御璽
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