平成13年9月・・・
新宿歌舞伎町でビル火災が発生した.
死者44人、負傷者3人
マスコミでも大きく取り上げられ,世間に衝撃を与えた.
そして,この火災を契機に,消防法が大幅に改正されることとなり平成15年10月1日より
■防火対象物定期点検報告制度
が施行されることとなった.
これにより、ビルやホテルなどの建物の管理者には、防火点検の徹底とその報告が義務づけられることになった.
過ちを繰り返してはならない.
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僕が勤める病院(730床)の玄関にも,
■防火優良認定証
(写真)
が掲げられている.
しかも,ウチの病院は
■特例認定制度
の対象となっている・・・
これは,「一定期間(3年間),消防法令を守っている」ことで,(本来必要な)「防火対象物定期点検報告制度に係る点検と報告の義務が一定期間(3年間)免除される」というものだ.
つまり,ウチの病院は防火に対する成績が優秀だから点検・報告義務の免除を受けていることになる.
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施設の至る所に,
■避難経路図
が掛けられている.
会議室,リハビリ室,各患者さんの部屋も・・・「避難経路図」は示してある.
上記認定を受ける上でも「避難経路図」の掲示は必要事項であるし,避難経路が特定されていることは大前提だろう.
そういったわけで,施設の至る所に,
■避難経路図
が掛けられている・・・
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んが・・・
すべて昔の図面なのだ!
(おまけに,どの方角かが分かりにくい.階下/階上へ避難する場合の経路は無い)
今,病院は立て替え工事に取りかかっており(といってもあまり進んでいないが・・・)
仮設渡り廊下や,立ち入り禁止となっている区間(旧渡り廊下等)が存在する.
「避難経路」にはそれらが,記されていない.
工事の始まる前に用意された「避難経路図」だから,記してある筈が無いのだ.
この「避難経路図」が役に立たないものになってから(つまり工事が始まってから),既に,数ヶ月がたっている.
知り合いの事務員さん等に,この話をして,担当者(←「施設課」という部署らしい)に伝えてもらったが...
「協議します」
と返答があったそうだ.
アホだ.
この話を聞いて一週間経っても「避難経路図」は古いままだ.
何故,早急に対処できない?
担当者は「今」,災害が起こることなんて全く考えていないのだろう.
予見している災害でも,被害を防ぐことが困難だろうに,予見できない災害にはどう対処するつもりなんだろう?
過去に,災害で無念にも死んでいった人たちのことを考えたことも無いのだろう.
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もし,災害が起こった時には,この「避難経路図」を頼りにしないことをお薦めする.
・・・どのみち混乱が起こるな.
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さて,僕に出来ることは何か?
とりあえず,ちくりだな.