アフリカには
「一人の老人が死ぬと、一つの図書館が失われる」
とう諺(ことわざ)があるらしい.
その地域にはその地域独特の伝統文化があり,それは多くの場合,人により伝えられる.
建物とか書とか有形に残されるものもあるが,人により継承されるものには,よりリアルさを感じる.
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今日も患者さんと歩行練習をしていた.
脳梗塞の後遺症で左半身に麻痺の後遺症を持ったおじいさんと.
渡り廊下の長椅子で一休み.
そこには大きな窓があり,広く松江を見渡すことができる.
「昔は,あの体育館はグランドでしてね.よく飛びましたよ・・・」
フと患者さんがそういわれた.
脳梗塞を患うずっと前の若い時の話だろう・・・
「走り幅跳びか何かですか?」
と,聞きなおすと.
耳が遠くて聞こえなかったのか,患者さんは首を傾げていた...
すると
たまたま,その長椅子に座っておられた,別の方(おそらく見舞いかなにかに来られている方だと思う)が笑ってこう言われた.
「ハハハ!ここら辺ではね,『走る』いうことを『飛ぶ』って言うんですわ!」
ナニソレッ
ヘ(゜д゜)ノ
米子出身なので,松江辺りの言葉もある程度はわかっていたつもりだが,これは全くの初耳だ!
よく聞いてみると.
『飛(と)んこー』は『飛びっこ』で「走りっこ」になるらしいし,『飛(と)ばこい!』は『飛びに行こう!』で「走りに行こう!」となるらしい!
そんなことを楽しそうに話してくれた,患者さん(おじいさん).
患者さんとしても大事だが,一人の文化伝承者としても,非常に大事だ.
なにせ,今は,『飛んこー』どころか,走りっこそのものが,失われてきている気がする.
子供が走り回っている姿なんて,少なくなったのではないだろうか・・・?
この患者さんが子供の頃,『飛んこー!飛んこー!』なんていって走り回っていた時代は,どんな風だったか思いを馳せる・・・.
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・・・
ふと,今思ったが,『走り幅跳び』は『飛び幅跳び』とかにならないのだろうか・・・?
( ̄~ ̄;) バカ?
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とんこ
うちの祖父母と父も、走ること『とぶ』って言いますよ。小さい頃から聞き慣れてたから違和感なかったのですが・・・。確かに最近は言いませんね。でも、車で走ることはよく『とばす』って言いますよね。それも同じ語源なのかな??
さすがっ!
さすが木次ッ子!
車を飛ばすは・・・多分,方言ではないでしょう・・・.
ちがう(笑)!?
もしくは,山陰地方の走りっこは,ものすごくスゴいスピードで,『飛ぶ』が妥当な表現だったとか・・・.