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ソーシャルメディア利用の手引き

英医師会(BMA:British Medical Association)が医師と医学生のためのソーシャルメディア利用の手引きをウェブサイト上に公開した。

日経メディカルに登録している人は、要約を日本語で読むことができる。
(といっても、PDFで配布されている原盤もA4用紙8ページに渡る簡単なものだ)

拡大するSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の利用においては新たな規範が必要となる。
そのことを受けての「手引き」だ。

しかし
これを読んでみると、特に真新しい内容は無い。
情報の扱いや専門家としての立ち位置や倫理規範は、ネットの有無にかかわらず存在する。

たとえば、守秘義務は常に課されているし、医療者と患者との友達関係については常に境界があいまいなものであるし、医療者は医療者なりの倫理規範もしっかりと持つべき存在である。

そういったことは、やはりネットの利用に関わらず存在している。

ただし、今回の手引きにおいて特に注意しなければならないのは、ネットの利用は、そのような意識を薄めさせる要素をもつということだ。
ネット上の「公(パブリック)」は、特殊なものだと思う。
ネットは「私(ペライベート)」を「公化」する機能をもっている。
いつでも、どこでも、だ。

その上で、有効に利用するのがいいと、僕は思っている。

そういった目で英医師会(BMA)の手引きを覗いてみる必要があると思う。
そうしなければ、ネット、ソーチャルメディアが単純に危険なものとして扱われ、その有効利用の可能性の芽を摘んでしまいかねない。

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■ソーシャルメディアは個人の公的な面と私的な面の境界を曖昧にする
■医師と医学生はプライバシー設定を保守的にすべきだが、それでもすべての情報が保護さ
れるわけではない
■医師と医学生は、ウェブ上でも、患者の秘密を漏らしてはならないという倫理的、法的義
務を負っている
■特定の患者または同僚に関する個人的な、または名誉を傷つけるコメントをフォーラムな
どで公開してはならない
■医師や医学生はウェブ上でも利益相反開示の義務を負う
■医師と医学生は、Facebookなどにおいて現在の患者または過去の患者から「友達リクエ
スト」がきても、承認は控えるべき
■ウェブの中で自分がどのような印象を相手に与えるかを意識し、それが自分の立場に与え
る影響を推定しなければならない
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この手引きは、ネット上でも、業務終了後に向かったスーパーマーケットでも適応されるべきものだと思う。
ソーシャルというのは、何もネットの上だけに存在するのではない。

いま、ここに存在しているものだ。

ネットは時間と空間に新たな価値を与えた。

そういう意味では、新たに創らなければならない規範もあるだろうけども、今まで持っていた規範が試される場でもある。

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参考

BMA:Using social media: practical and ethical guidance for doctors and medical students
↑全文PDF書類はコチラ
日経メディカル:医師は患者からの「友達リクエスト」の承認は控えるべき(7/26)

KAZZ BLOG:松江日赤がSNS活用 大規模病院 全国でも導入まれ(2011年07月18日)
KAZZ BLOG:病院における「facebook」「twitter」の運用(2011年06月15日)
KAZZ BLOG:医療者のSNS利用...(2011年06月01日)
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