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暴走する脳科学

BOOKS

今日は休暇

ゆっくりと読書・・・

と言いたいところだけども、ゆっくりとはいかない読み物だった。

暴走する脳科学 (光文社新書)
河野哲也
光文社

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最近小説を読む時間が長かったせいか、あるいは僕のオツムが悪いせいか、なかなか書かれている知識に食らいつくことができなかった。
中断すると挫折すると思って、今日の休暇を活かし、一気に読むことにした。
新書だと思って、気楽にとっかかったのだけども・・・情報豊富過ぎ。

この本を手にとった理由は、最近横行する「脳なんとか」とか「脳トレ」とかいったものの非科学性が気になっていたからだ。
大衆は、似非(エセ)であろうが何であろうが、エンターテイメントとして楽しんでいるだろう。
が、それに翻弄される人もいる。
たとえば、血液型でムキになっている人なんか・・・。ただ損をしているだけではないだろうか?

そして、以前から気になっている心と脳の関係。
また、脳の勉強をしていたら、社会学にも興味を持ったが、今ではそれは必然だと思う。
この本には「そもそも、脳イコール心といえるのだろうか?」という指摘や、「社会的存在としてのの脳」という章もあるのに惹かれた。
そして、脳化学の進歩とともに、考えなければならない、ニューロエシックス(神経倫理)。こう言ったことも非常に興味深い内容だ。

繰り返しになるが、難しかった(爆)。

本の終盤にあった記述が気になった。

リハビリの人間として、非常に気になったのだ。

それは
エンハンスメント、(つまり、人間の標準を超えて能力増強をすること)について記述だ。
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エンハンスメントで本当に問題になっているのは、自律性である。脳という個人の臓器にまで侵入し、エンハンスしなければならない社会的要請とは何だろうか。そもそも「社会」とは一体、誰のことを指しているのか。社会に属する人の総意から、そうした社会的要請が生まれてきているとは到底思えない。一部の人々が自分に都合のよいことを、他の人に押し付けているだけではなだろうか。いや、そもそも、そのような要請を他人に課す権利など誰にあるのか。
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この前段に、著者の自問自答がある

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身体の障害は、BMI(ブレイン・マシン・インターフェイス)のような脳テクノロジーを導入してまで、個人の努力で克服しなければならないものだろうか。障害が障害のままでも、環境を改善すること人間の活動を補うことはできよう。安全とはいえ、薬剤を使ってまで仕事や現況をしなければならない理由は何か。誰がそれを望んでいるのか。
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リハビリの人間としても考えなければならない倫理的問題があると思う。

健常者のエンハンスメントに限らず、「よりよく生きる」ということを目的とした、リハビリテーションも、その介入方向がその個人に限定されてはならないと思う。

治療はもちろんの選択肢であるけれども、より幅広く、可能なアプローチが存在することを知らなければならないと思う。

いろいろ刺激的な本だった。
読み返せば何度でも味わえると思う。

・・・が、今は、チョット休憩(笑)

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