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食事

理学療法/病院

おじさんは、脳の思考を司るところに問題を抱えている。

以前のハツラツ元気な時を知っているので、いまの雰囲気は別人に思える。

何となくぼ~~っとしていて、話す言葉もまばら。

笑顔ができるのはできるのだけども、感情がこもっているのか分からないような、そんな表情。

その場での一言二言の言葉のやり取りはできるが、一般的に言う「会話」という感じにはならない。

夜間も日中も、眠れたり眠れなかったりを繰り返しているようだ。

以前の、活気は感じられない。

以前はよく言っておられた。
「病院の飯はまずい。食えたもんじゃないよ」
「看護婦の野郎はなんも分かっちゃいない」
といった威勢の良い感じは、全くなくなってしまった。

また、
「病院の生活なんだから、まわりに迷惑をかけちゃならん」
「看護婦のいうことも聞いてやらないと可哀想だ」
といったいたわりも持っておられたが、それも、わからなくなってしまった。

いま、おじさんは車椅子に座っておられる。
歩けるのだけども、背中をまるくして座っておられる。
以前は、後ろにのけぞってドッシリしていたのだけども、いまは前に屈み、小さくなっておられる。

外見的にはおじさんっぽさが残っているけども、まったくおじさんではなくなった・・・そんな感じだ。

回復するのだろうか・・・?
脳の損傷の具合からいうと、難しそうな印象を受ける。

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午前中。
おじさんと歩き、詰め所に帰る。

おじさんは、一人で出歩かれると危険があるため、詰め所で見守られた状態で一日を過ごすことが多い。

だから、部屋ではなくて詰め所に帰る。

もうとっくに昼近くになっていだけども、お膳がおいてあった。

すっかり冷えきった、朝の食事。

食事というのか、ペーストされた食べ物だ。
おかゆ、と、原形をとどめていない、何か。

ラップがかぶされてあるが、冷えきっているのは見ただけでもわかる。

ふと、看護師がやって来た。

「食事ですよ~。朝は寝ていて食べれなかったからね~!」

普通の病院食でも「まずいわっ!」と言っていたおじさんが、ペースト食を好むわけがない。
ましてや、冷えきったものだ。

おじさんは、箸を持ち、おかゆをほじくり、食べ始める。

なんというのか・・・無表情で食べられる。
薬のゼリーもパクパク食べられる。

無表情で食べる。

おそらく、今のおじさんにとって美味しいとかそういう感情は、味覚からはうまれないのかも知れない。

ただただ、反応のように食事をされている。

冷めたお粥って、まずくないか?

と看護師にいっても、「朝食べなかったから仕方がない」「このお椀はレンジにかけると歪んでしまう」などと、トンチンカンな返答をされる。

我関せずで、おじさんはおかゆを口に運んでおられる。

以前のおじさんだったら、「こんなもん食えるかっ!」と、そういっておられたに違いない。

なんか、美味いものを食べさせてあげたい。

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参考

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