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古典

■古典がもっと好きになる

古典がもっと好きになる (岩波ジュニア新書)
田中 貴子
岩波書店

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↑という本を読んだ。

タイトルに反して、「もっと好きになる」ことはなかった。

・・・そもそも、古典は好きだから。
(ただし、できるという意味ではなくて)

ただ、この本で紹介されている『暗記する』ということには賛同する。

この本では冒頭を暗記することを推奨されている。
暗唱にふさわしいのは、作品の冒頭分だそうだ。
冒頭の文章には作者の力が入っており、名文が多いとのこと。

以下に、その例を挙げておくので、興味があれば、是非、暗記でも。
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『伊勢物語』作者不詳
昔、 男、初冠して、奈良の京春日の里に、しるよしして、狩にいにけり。その里に、いとなまめいたる女はらからすみけり。
(訳)むかし、元服したての男が、奈良の春日の里に狩りに行った。其の里に、たいそう生き生きとした美しい姉妹が住んでいた。
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『徒然草』兼好法師
つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、 そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
(訳)退屈でしょーがないから一日中硯に向かって、心に浮かんでくるどーでもいいことをタラタラと書きつけていると、ワケが分かんない内にアブナクなってくんのなッ!
(橋本治『絵本 徒然草』河出書房新社)
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『土佐日記』紀貫之
男もすなる日記といふものを、女もしてみむ、とて、するなり。
(訳)男のするという日記というものを、女の私もしてみよう、と思ってするのである。
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『平家物語』作者不詳
祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕はす。
奢れる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。
(訳)インドにある祇園精舎の鐘の音は「諸行無常」と響き、
お釈迦様が亡くなられたとき、沙羅双樹は枯れて白い花になってしまったように、今栄えている者も必ず衰える時がある、という理を示している。
おごり高ぶっている人も、それが永久に続くわけではない。
あのはかない春の世の夢と同じことである。
勢いの盛んな者もついには滅んでしまう。
まるで、風邪の前で吹き飛ばされてしまうような塵と同じである。
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『源氏物語』紫式部
いづれのおほん ときにか. いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、 いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。
(訳)どの天皇様の御代であったか、女御とか更衣とか言われる後宮がおおぜいいた中に、最上の貴族出身ではない女で、御寵愛を得ている人があった。
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