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サイン

先日の東京出張の帰り。

羽田空港で土産物屋をまわっていた。

元来、出無精なので、こういう賑やかなのは苦手だ。

が、ついついアレコレと見て回っている自分もいる。

とある土産物コーナーを通りかかったとき
独特の形のゴーフレットを見つけた。

おばあさんを思い出す。
入院中に亡くなられたのだけど、おばあさんはこのゴーフレットが大好きだった。

多分、形が独特だから間違いない。

おばあさんは、そのゴーフレットが大好きだったから、
僕にもくれた。

「これが大好きなんですぅ~」

と、独特に語尾を伸ばす話し方が、思い出された。

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柳田邦男の本に紹介されていた話がある。
(「僕のホスピス1200日 自分らしく生きるということ」山崎章郎(文春文庫))

ホスピスにおられる患者さんと主治医とのやり取りだ。

患者さんが、「死後の世界を信じますか?」というようなことを主治医に聞く。

主治医はあるのではないだろうかという返事をする・・・

それに対して患者さんは、自分が死んだら、死後の世界からサインを送る、という。
そのサインは、風のないところでロウソクの炎を揺らすというもの。

ロウソクの炎が風のないところで揺れたら自分だと思ってください。
と、医師に言う。

そして間もなく
患者さんは亡くなられた。

さて、この患者さんが(この患者さんの魂が?)、ロウソクの火を揺らすかどうか・・・

主治医も家族も「まだかまだか」とロウソクを見て待ちわびる。

そして、ふと気がつく。

死後も生き続ける、患者さんの存在。

医師は、ロウソクを見るたびにこの患者さんのことを思い出す。
そうやって、この患者さんの存在を感じ続ける。

死後の世界からのサインとはこういうことなのではないか・・・

こうやって、患者さんは死後も生き続ける。

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そして僕は、

ゴーフレットを見るたびに、おばあさんのことを思い出すと思う。
そういうところが、天国(極楽?・・・死後の世界)なんだと思う。

壊れる日本人 再生編 (新潮文庫)
柳田 邦男
新潮社

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僕のホスピス1200日―自分らしく生きるということ (文春文庫)
山崎 章郎
文藝春秋

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